科学

7000年の眠りから目覚めたバルト海の藻類を蘇らせることに成功!

2025-04-03

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ついに目覚めたようだ。スカンジナビア半島に囲まれたバルト海の海底、7000年前に海底の泥に沈められ、長い眠りに入っていた藻類が、現代の科学の力によって再び目を覚ました。

日本では縄文時代中期。この頃から、光も栄養素もない環境でずっと眠り続けていた藻類が、現代に蘇ったのだ。

研究によると、普段は見られない長期の休眠状態にあった藻類が、現在の藻類と競合なしに生き続ける力を持っていた。この過程は過去の生物を復活させることによって、彼らが環境の変化にどれだけ適応できるかを探る「復活生態学」の一部として注目されている。

7000年前の眠りから復活した藻類は、2021年に、ドイツ・ライプニッツ海洋研究所のバルト海研究チームによって発見された。バルト海の水深240mから採取されたサンプルの中に、長い間休眠状態にあった藻類が発見されたのだ。

バルト海の藻類は、「スケレトネマ・マリノイ(Skeletonema marinoi)」という種類で、春には大量に増殖する一般的な藻類だ。これが生態系においてどれほど重要な役割を果たしているかは、過去の研究によって明らかになっている。

この藻類は、環境が悪化すると「休眠」し、代謝を抑えて生き延びようとする力を持っている。今回の研究チームは、休眠状態にある藻類を採取し、現代の藻類と比較したことから、過去の環境条件下での休眠における遺伝的多様性を調べることができる。

これにより、バルト海の藻類の2060年頃までの生存可能性や生態系の変化を予測することができる可能性があるという。

特に、気候変動や人間活動によって海洋環境がどのように変化していくのか、その影響を真剣に考える必要がある。藻類は水質改善や酸素供給において重要な役割を果たしており、彼らが再び繁栄することで海洋生態系がどのように再構築されるのか、我々は注視する必要がある。

研究チームのリーダーであるドリアン氏は、「現代の生物と同じように繁殖・分化が行われ、光合成を行っています」と述べ、藻類の復活が未来の生態系に与える影響について語っている。

この研究は、2025年1月に『The ISME Journal』に掲載される予定だ。今後の研究の進展が待ち遠しい。