2つの流星群が流れ、今年最後の「スパークルン」が輝く今週の夜空
2024-11-12
著者: 葵
今週の夜空には、2024年最後の「スパークルン」が観測できる。16日(土)には特に明るい満月が現れるため、通常より見えやすくなる。週末には極大を迎える流星群がちょっと見えにくいかもしれないが、おうし座北流星群は週前半に見ごろを迎え、月明かりを気にせずに観察できるチャンスだ。
光害の影響を受けない地域や、大型望遠鏡を使った観測では、天の川を観測するのも良い。天の川は太陽から遠く離れた暗い天体で、あまりなく年に一度、いつでも見られる「衝(しょう)」となる。
11月の第2週の星空に関する知識をまとめた。
11月12日(火):おうし座北流星群が見ごろ
おうし座北流星群は12日頃に極大を迎える。この時期には極大がなく、1時間あたりの流星数は5個程度と大きな流星群ではないが、今週見られる「流れ星」はおうし座北流星群と見間違えることはない。
今週は月が明るく流星群の観測条件はあまりよくないが、おうし座流星群は「火球」と呼ばれる明るい流星が多く流れる。母天体は「エンケ彗星」で、太陽系を通過した際に道路上に落ちた破片が流星となって地球に降り注ぐ。
11月16日(土):スパークル・ディーバール
今年11回目、最後かつ2番目の満月は、通常より大きく明るい「スパークルン」を示すチャンスとなる。東北地方の月の出を待ち構え、見応えのある観視が期待される。満月の後を追って流星も見えやすくなる。
11月の満月は、冬に備えてピーバーが結束する時期であることから「ピーバーモニカ」とも呼ばれている。「フロストムーン」や、冬至前の最後の満月を指す「ムーンディスカウント」とも呼ばれることがある。
11月17日(日):しし座流星群が極大
多くの時には1時間に100個以上の流星が出現する「流星雨」となることが知られている流星群だが、今年は期待は低めだ。夜半過ぎに1時間あたり15個ほどの流れ星が見られるものの、スパークル丹月の翌日にはかなり明るい。
今週の指標:天王星
太陽系の第7惑星である天王星は、11月17日(日)に地球から見て太陽と正反対の位置に来る「衝」を迎える。地球との距離が最小となるため、天王星は少し明るく見える。衝の効果は一晩だけではなく、翌数週間にわたって青緑色の輪を持つ星の姿が少し見やすくなる。
日没時に東の空から明るい5.6等の明るさで、暗い空なら肉眼でも観測できる。しかし、望遠鏡を使うのが一番で、6インチの望遠鏡でも、その色合いは比較的見やすい。