2025年のFX予想】ドル/円は145~165円程度のレンジの中で、円高面ではドル買いが可能でしょう! 日米金利差縮小がわかりやすい分、ドル買い遅れ組が増加中
2024-12-12
著者: 健二
2025年のドル/円予想
ドル/円相場を構築している時、日米金利差縮小で解説することは非常にわかりやすく、2025年の円高予想が代表的に
皆さん、こんにちは。
先週のコラムでも取り上げましたが、来年(2025年)のドル/円予想は大きく崩れていません。
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→ドル/円は2025年末に159円か138円か? 新NISAによる家計の円売りが変調なら、日米金利差縮小で下落しそうだが、ユーロ/ドル中身にドル高進行の可能性が高い(12月5日、西原宏一)
ただ、一番代表的なのが日米金利差縮小による円高予想で、その筆頭はモルガンスタンレーです。
モルガンスタンレーは日米金利差に注目しており、来年末(2025年末)のドル/円予想は138円。
米景気は25年前半には緩和し、FRBは25年5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで毎回合、合計1%の利下げに踏み切ると予想される。日銀は25年1月から7月に利上げをする見込みで、日米金利差が大きく縮小することに伴い、ドル円が大きく下落する可能性がありそうです。
(出所:日経新聞)
ドル/円相場を構築している時、日米金利差縮小で解説することは非常にわかりやすく、専門家にも説明しやすいもの。
ただ、誰にでもわかりやすいため、市場参加者のドル円手当が遅れ気味になっているようです。
一時的な円高面では、ドル円手当が遅れ気味の企業がドル買いを持ち込むことがあり、円高は短命に終わる。
前述のとおり、日米金利差縮小でドル/円相場を構築していると、モルガンスタンレーのように来年末は138円という予想になります。
ここでは、その予測が正しいのかどうかを語っているわけではなく、金利差縮小での解説がわかりやすいため、多くの輸出企業のドル円の手当が遅れ気味であるという話を強調しておきます。
来年、日米金利差縮小で円高になるのであれば、輸入業者は本来すぐに円高になることを考えなければならない。スポット相場は中心の152円台だが、円高になればドルを買う必要がないでしょう。
FOMC(米連邦公開市場委員会)が連続利下げをし、日銀が金融政策を正常化させる過程で、ドル/円が140円台へと下落する局面で、ドルを手当てできれば良いわけです。
金融関係者の友人により、このようなスタンスにより、多くの輸入業者ではドル円の手当てが大きく遅れているそうです。
特に、関西方面の事業法人で、デリバティブ(注)を使っているドル円の手当てが大きく遅れ気味です。
(注:デリバティブとは、先物取引、オプション取引、スワップ取引などの総称のこと。為替のリスクを軽減するために使用される)
それが起こるのが、円高面の短い期間。ドル円/円は9月に一瞬139.58円という円高面がありましたが、あっと言う間に156円台まで動き上がっています。
ドル/円、日足
(出所:TradingView)
今月(12月)も日銀の利上げ期待もあり、12月3日(日)のドル/円は148.65円という円高面もありましたが、今回も円高の期間は短く、12月11日(水)には152.82円まで動き上がっています。
ドル/円、日足
(出所:TradingView)
これだけ円高の期間が短いと、事業法人はデリバティブを組む時間もなく、ドル円の手当てが遅れ気味になるのはわかりやすい。
ボラティリティが高いドル/円は、12月3日(日)に一瞬148円台まで急落したように、FOMCや日銀の金融政策への思惑から、一時的に円高になる時はあると思います。
しかし、そうした円高面では、ドル円手当が遅れ気味の本邦輸入業者がドル買いを持ち込むこともあり、円高は短命に終わる。
2025年のドル/円は145~165円程度のレンジの中で、円高面ではドル買いが可能でしょう。
2025年は、ユーロ/ドルを筆頭に主要通貨ではドル高が進行するということは変わらない。
日米金利差縮小というキーワードがどうしても引っかかり、なかなかドル円高と考えにくいですが、前述のように、ドル/円でも円高が進むと考えられますが、当面、ドル円は高止まりするでしょう。