10年間の悲劇:母は最期の場所を求めて山を下りた

2024-09-25

2014年9月27日、長野県と岐阜県にまたがる活火山、御嶽山(3054メートル)が噴火し、多くの人々が影響を受けました。その時、当時小学6年生だった息子が手を振っていたことが、今も母の記憶に鮮明に残っています。冨士山とは異なり、近くの活火山は常に危険にさらされているのです。この噴火によって、58人が命を落とし、行方不明者も多く発生しました。また、山岳遭難事例が増加している中で、突然の避難や危険な行動が生じたと言われています。

その日の朝、冨士山の周辺は強風が吹き、急に寒くなりました。長男の友人たちとともに登山に向かい、母は「気をつけてね」と言い残しました。しかし、その後長男からの連絡を受けた母は最悪の事態を考え始めました。

噴火は午前11時52分に発生しました。母は、男子たちが山の中で一人が行方不明になっていることを耳にして、パニックに陥りました。息子はその後、災害発生の連絡を受け、母親と一緒のグループで登っていたため、連絡を取り合っていたのですが、次の瞬間、あたりは煙に包まれ、視界が全く見えなくなったとのことです。手紙が届くこともなく、彼女は一人で恐怖に駆られました。

噴火後、山中での捜索が行われ、特に小学校の生徒の中からも何人かが行方不明になりました。28日には別の二人も発見され、一時の安堵をもたらしましたが、その影で多くの家族が悲しみを抱える結果となりました。

長男が直面した壮絶な状況を知り、母はやり場のない感情に押し潰されました。「私が先に山に行くべきだった」と後悔の念が湧いてきます。息子の成長を見届けたかった母親は、事故を知った瞬間、全てが崩れ落ちました。近年、山の安全に関する意識が高まったものの、このような問題は依然として存在しています。この悲劇が私たちに伝えるメッセージは何か。この問題を考えることが、今後の安全につながるのだと信じています。