100歳まで生きよう! 65歳を超えたらこの食事
2024-10-30
著者: 裕美
●近年、ペジタリアン料理を取り入れる人が増えている。肉や魚を完全に断つことは、高齢の脳に悪影響を及ぼす可能性が示唆され始めている。英各メディアが報じた。ミカリフロルニア州ロマリン大の学者たちは、ペジタリアン食の多くが中年期の人々の病気リスクを低下させることを発見した。しかし、65歳以上の人々ではその逆の結果が見られた。高齢のペジタリアンについては、脳の萎縮や認知症、パーキンソン病などのリスクがわずかに増加していることが分かった。同時に、食事に(特に脂の含まれた)魚を加えると、そのリスクは大幅に減少し、死亡リスクが最も低くなることが明らかとなった。
2024年8月に『アメリカ臨床栄養学雑誌(American Journal of Clinical Nutrition)』に掲載されたこの研究では、カナダとアメリカの30歳から85歳まで、約78000人の食事データを使用。参加者は2002年から2007年の間に募集され、2015年に追跡調査が行われた。中には2500件の死亡例が含まれていた。参加者は食事内容に基づいて「非ペジタリアン」「セミペジタリアン」「ダイエットパターン(魚を食べる人)」「ラクト・オボ・ペジタリアン(乳製品と卵を食べる人)」「フルベジタリアン」に分けられた。ペジタリアンの食事をしている人は肉食者と比較して死亡リスクが12%低いことが分かった。しかし魚も食べるペジタリアン(ダイエットパターン)は、死亡リスクがさらに18%低下していた。
研究者たちはペジタリアンの食事に乳製品や卵を加えることの利点についても調査。それによる結果、死亡リスクがさらに15%減少することが分かった。一方で肉を全く食べないフルベジタリアンの人々の死亡リスクは13%しか減少しなかった。さらには、ペジタリアンの食事が中年層に対しては死亡リスクを低下させる効果があるものの、80歳以上の高齢者には同じような効果が見られなかったことも明らかとなった。
主任研究者ゲイリー・フレッカー教授は、「80代のペジタリアンの間で神経系障害のリスクが高まっていることを指摘する。このことは、魚を含まないペジタリアンの食事が重要な栄養素の欠如を引き起こす可能性があるためだ」と警告している。地中海式の食事は果物や野菜に加え、サーモンやサバのように脂肪の豊富な魚を含むため、抗酸化物質が豊富であることから脳に有益であると考えられている。また、アメリカの栄養士協会は「オメガ3脂肪酸は脳や神経系の健康に重要であり、魚を食べる量が多いほど脳萎縮のリスクが低下する」と指摘している。オメガ3の多い脂肪酸が、細胞の成長に不可欠なものであるため、年を重ねるにつれて特に重視すべきである。