科学

1000年以以上眠っていた種子の発芽に成功、聖書に記された薬草を持つ樹木の可能性

2024-09-30

イスラエルとヨルダンの間にまたがるユダヤ丘陵地域で、1000年以上眠っていた植物の種子が発見された。

イスラエルの研究チームは、その種を発芽させ、3mの樹木にまで成長させることに成功した。

この植物は、現在は絶滅した「シバ(Sheba)」と呼ばれるミルラの仲間で、その樹脂に薬効成分があることが明らかになった。

この植物の歴史的背景について調査が進められており、1980年代、ユダヤ丘陵に眠る古い種子が発見された。その種とは、現在の「シバ」にあたるミルラの木である。過去1000年以上前から育っていたこの植物は、993〜1202年の間に繁茂していたと考えられている。

2010年には、古代の植物を復活させようというプロジェクトが始まり、科学者たちが特別な方法で種の発芽を試みた。発芽は成功し、16週後には完全に発芽することが確認された。この樹木は、2038年に3mの高さの樹木に成長することが期待されている。

また、このシバの植物は、古代の香油や薬としても利用されており、古代エジプトやバビロニア時代には神聖視されていたことが記録に残っている。今回の研究は、ミルラの成分が持つ医学的特性や、さらには宗教的観点からも大きな注目を集めている。

研究チームは、シバのDNAを抽出し、さらなる化学分析を実施することで、新たな治疗法や環境保護への応用可能性を模索している。これは、持続可能な利用と古代植物の復活を試みる試みとして、植物界において非常に革新的なプロジェクトと評価されている。

この研究結果は、今後の生態学や植物学研究において重要な意義を持つと同時に、古代の植物が現代にもたらす可能性についての議論を呼ぶことだろう。